これは凄い作品ですね。
顔に傷を持ち日陰を生きてきたが卓越した演技力を持つ女性。美人だが女優として演技力がなかなかパッとしない女性。ある口紅を塗ってキスをすると12時間顔を入れ替えることができる。
劣等感をずっと持って生きてきて、他人になれる舞台での累の芝居は本当に生き生きしていた。
自分の居場所を見つけて芝居をする幸せを感じる累。自分の顔で女優としての価値を高めてくれることを利用しようとする丹沢ニナ。累を累の母親と重ね、母のように累を輝かしい女優の道へと導こうとする。
3人が３人ともそれぞれの思惑があり、醜い部分が浮き彫りになる。
最初は周りから忌み嫌われる累に同情したが、途中から他人の顔で自分の人生を生きようとする累が怖くて仕方ありませんでした。
2020.12.26.129本目
