りり

累 かさねのりりのレビュー・感想・評価

累 かさね(2018年製作の映画)
3.6
おもしろかった。口紅を塗ってキスするとその相手と顔を交換できる能力を持つ女の子、累の話。こう書くと少女マンガ的キラキラファンタジーのようだがそうではなく、ルッキズムへの憧れと憎しみを背負った主人公が美しい顔を手に入れたことで己の才能を発揮できて、次第に他者と外見を共有する二重生活に溺れていくというドロドロしたサスペンス。
特に後半の「サロメ」の舞台部分は本当に舞台演劇を見ているような臨場感があってよかった。テンポもいいし、ダブル主演の2名の熱意も感じられた。累とニナの演じ分けも不自然に感じずに見れた。
土屋太鳳の舞台用の演技はちょっとわざとらしすぎる気もしたけど、「サロメ」でのダンスや長台詞など迫力も華もあって魅了された。太鳳ちゃんはクールキャラめちゃめちゃ似合うね。キャンキャンした高音でちょっとかすれたような声もこの役に合ってて私は結構好きだな。
芳根京子は入れ替わる側なのでニナよりは出番が少なかったけど、土屋太鳳よりは安定感があったので彼女の存在も大事だったと思う。
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