プペ

ハッピー・デス・デイのプペのレビュー・感想・評価

ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)
3.8
映画の一つのジャンルとして、すっかり定着した感のある"ループもの"。

主人公が何度も死ぬ映画と言えば、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』や、『ドクター・ストレンジ』を思い浮かばせる。両者とも、トンデモない数の死を経験して地球を救った、自己犠牲の鏡のような人物だ。
しかし、本作『ハッピー・デス・デイ』で"殺人ループ"に遭遇するのは、ハリウッドスターでもカッコいいヒーローでもなく、ホラー映画のビッチで性悪な女の子。それ故に、17回の殺人ループで、心身ともにもう限界であった。
という指摘はさておき、本作は、紹介した2作品より後に製作、公開され、"ループもの"が多くの観客に認知された後、その設定をホラーに持ち込んだ作品と言えるだろう。

多くの映画、特に、ホラー映画の鉄則では、「ヒロインは優しく、純真無垢で、好感の持てる女の子」だ。
しかし、監督はあえてこの映画に「利己的で、性悪ビッチなヒロイン」を与え、その人物の成長の姿を物語にする事を選んだと語っている。

この掟破りの設定が、想像外の笑いと感動を生み出す事に成功したのである。
そんな監督の手腕は余りに見事過ぎる。



幾度も、幾度も、トライ&エラーを繰り返しながら真相に迫る展開は、ジェイク・ギレンホールの『ミッション:8ミニッツ』も彷彿とさせ、ヒロインの頑張りにいつしか感動を覚え、応援を添え、高揚感と共に感謝が溢れた。

詰まるところ、わたしは、この映画が大好きなのだ。
だからこそ、この余韻に亀裂を入れてしまうのではないかという不信感が覆う続編、『ハッピー・デス・デイ 2U』に手を伸ばす事が恐ろしく、それでいて、期待に胸が踊るのだ。
プペ

プペ