キッチー

此の岸のことのキッチーのレビュー・感想・評価

此の岸のこと(2010年製作の映画)
3.8
外山文治監督は現代社会の病巣に切り込んでいく作品が多いですが、今作では老々介護について考えさせられました。核家族化が進んで不安定な立場に置かれている高齢者たち、社会の高齢化も進んでいて他人事ではないと思いました。

奥さんの介護を続けるおじいさん、闘病生活でお金もなくなり、自らも病に侵されていることが判り絶望。病人は言うことを聞かなくなり、介護疲れに拍車がかかる。
とうとうおじいさんは行動をおこそうとする. . .

最後はそれまでと全然違うシーケンスで構成されている。現在、過去、そして未来?が交錯する。沢山の絶望と、ほんの少しの光. . .
偽りかもしれないけど、少しだけ救われた気がした。
落ち着いた映像、ピアノによる曲というスタイルは変わらず。

30分の短編作品。
ロケ地は埼玉県越谷市の県民福祉村. . .
この映画作られた頃にたぶん娘連れて遊びに行ったことあった( ´-`)

ハネケの「愛・アムール」を思い出した. . . 悲しい物語。
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