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祈りの幕が下りる時のrのネタバレレビュー・内容・結末

祈りの幕が下りる時(2017年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

これ、まじで泣ける。東野圭吾らしさ全開の、「愛ゆえに人は」という話。

私、小日向さんにめっちゃ弱いのよ。小日向さん特有のあの声のトーンと話し方がすごい好きで。今回の作品を観ても、他の役者さんには出せないニュアンスが出せる方だなぁと改めて感じた。なんだろう、小日向さんのよさをうまく言語化できないけど、温かさの中にどこか切なさがある感じ。いやぁ、めちゃめちゃハマってたな、苦悩を抱えながらもただただ娘の幸せを願う愛に溢れた父親の役。あのトンネルのシーンボロ泣きした。桜田ひよりちゃんもめっちゃ演技上手なんだけど。胸が締め付けられるくらい感情移入した。

はぁ〜〜この親子がどうか永遠に平和に幸せでいてほしかったけど、私の幸せの尺度でこの親子の幸せを決めつけるのはなんか違うよなぁ。きっと2人は2人なりに自分たちの生きている世界で幸せを見つけてたと思うし。愛って理屈じゃないんだな。当事者にしかわからない愛の形ってやっぱりあるよね。世間から見たら人殺し、私から見たら切なくて苦しくて仕方がない終わり方だけど、きっと当事者2人からしたらこれが1番いい幕の下ろし方だったんだろうなぁ。正義とか道徳とか、絶対的に正しいものなんてこの世にないんだなと改めて思わされる。博美さんに殺されたお父ちゃん、心から愛おしいと思いながら、心から幸せを願いながら、あの優しいニコニコ笑顔で博美さんのこと見てるんだろうな〜。博美さんの行為が正義か不正義かなんてどうでもいいや、誰がなんと言おうと、この2人が相手を想う気持ちは揺るぎないものだと思うもの。

ただ、私は先に原作を読んでいたのでなんとかなったけど、トリックが割と複雑なので映画だけだと若干ついていけないかも。そこがちょっと惜しいかな〜トリックがわかるまでのスピード感が早すぎた感じ。

でも真相編は本当によかった。映画と原作が合わさって一つの作品として自分の中で完成された感じ。沈黙のパレードもそうだった。トリックを楽しむのは原作で、この作品のテーマが存分に味わえるのは映画って感じする。観てよかった。好きな作品のひとつになった。『容疑者Xの献身』と並ぶくらい好きかも。
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