いちみる

祈りの幕が下りる時のいちみるのネタバレレビュー・内容・結末

祈りの幕が下りる時(2017年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

⚜️

🌹加賀のセリフでよきと思ったもの。にやけながら「(浅井博美)美人だったよ」、「(博美)やっぱ超綺麗だな」、「いい歳して強烈マザコンだ」。
🌹加賀、お父さんを看取らなかった理由ちゃんとあったんだ。
🌹博美のおかげで命拾いしたという忠雄。本当は崖から飛び降りて死ぬつもりだったけど横山と人生入れ替えっこをすることに。博美とは記録上関係がなくなってしまうけどそれでも2人はちゃんと生きていける道。博美が横山を殺したことにより命拾いしたって言ってるけど博美からするとすごく複雑な心境だろうな。しかも急な離れ離れだし。
🌹26年間身を潜め生きてきた。でもそんな逃げ回る人生疲れたから死なせてくれと言う忠雄…そんなことを言われるのは苦しすぎるよ。最初はお母さんが借金作って蒸発したのが原因だけど、横山と忠雄を入れ替えっこすることになった原因は博美。入れ替えっこ後は身を潜めながらの生活、偽名で手紙を送り、会う時は橋で携帯越しに会話するようになった。自分のせいもあって辛い思いさせていたから楽にしてあげたいけど、離れていても一緒に辛いことを乗り越えてきた。今までどおり博美自身の幸せや夢、成功を忠雄に知ってもらい、今後の忠雄の幸せをもっと知りたかっただろうに。
🌹昔、忠雄は「同じ死ぬにしてもお父ちゃんなら他の方法を選ぶ。焼け死ぬなんて考えただけでゾッとする。」と言っていた。でも娘に迷惑をかけたくない。自分が生きていたという痕跡をなくすため指紋も顔も残らないよう焼け死ぬことを忠雄は決意する。ゾッとするような死に方でも愛する娘のためなら厭わないという姿が勇ましすぎた。
博美も博美でお父さんを守るため自分の手で殺すことを決意。博美は忠雄を愛していたし、もっと生きててもらいたいはずなのに殺さなければならなかった…忠雄は首を絞められ死んでいくけど、それと同時に博美は胸が締め付けられすごく苦しかったと思う。子が親を殺すことは悲しいことだけど今回の場合は博美の手で忠雄が殺されて良かったと思う。忠雄にとって1番の死に方だったんだと思う。
🌹祈りの幕が下りる時の祈りについて、忠雄の場合博美の今後の幸せと亡くなってからも見守っていたい、博美の場合忠雄を自分の手で楽にしてあげ天国では安らかに眠ってほしい、加賀の母親の場合息子に立派になってほしいという気持ちが込められているんだと思う。そして幕が下りる時は、忠雄が博美によって殺される時、博美は逮捕される時、加賀の母親は亡くなる時が対象となり人生の幕が下りたことを意味していると思う。
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