滝和也

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第三章 純愛編の滝和也のレビュー・感想・評価

3.5
古代、覚悟を示せ!

第十一番惑星にて
200万を超える大艦隊
に包囲されたヤマト。
艦長代理として、
人として、男として
決断を迫られる!

宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち
第三章 純愛編。

壮大なるリブートの中でこういう回も必要なのだろう。壮大なる前フリ回であるが故に、それ以外が雑になり、強引な展開を見せてくる。ただ前作のヤマトが沖田艦長と言う柱を持ち、群像劇内で主人公古代が自由に動けた良さに対し、今作は古代を中心に添え、物語を紡ぐ覚悟を見せる。それ故悩み、苦しみ、葛藤し、それが愛の戦士たちのリブート故の前フリなのだ。

その中身は、前作が残した波動砲の禁を破る展開、そしてかつてはなかった大帝ズウォーダーとの接点をもたせ、自らを戒め、全てを背負い込む苦しみの古代を描いた巻である。

ややネタバレするので下へ向かう。




明らかになったことは、ガトランティスの由縁である。創造主が作りし、戦闘民族。生殖能力がなく、全てが作られし民であること。故に愛を知らず、人類が持ちし愛は世界を滅ぼす、故に我等が導く、それこそが正しく、愛であると。前作でもそうであり、究極のエゴである存在と定義されよう。ただその中でも、前フリが存在することは明記しておく。

他にも暗躍を始めたガミラスのキーン中尉。ヤマトに潜入せし謎の美女。(誰かにそっくりだからわかりやすいが)、惑星テレザートからのサイキックウェーブ、そしてゴーランド艦隊とザバイバル陸戦師団と全てが前フリの巻である。男の中の漢、斎藤率いる空間騎兵隊の活躍は決まったわけである。

主役や他メンバーが悩み、苦しむような展開のため、斎藤の存在はよりはっきりしており、格好良さもひとしおであり、もはやもう一人の主役である。斎藤ファンとしては嬉しい限り。

残念ながら上記のように前フリを大量に放った故、展開の猥雑さは否めない、煽りを喰ったのは土方復活の戦闘シーン。折角良いシーンなのに重要なシーンとのカットバックで印象が薄い。編集に時間がなかったのかもしれない。

その中、最大の前フリは出るわけがないと思われた彼の登場である…。さてどう繋ぐのか。無理無理な流れではあり、不安を残しながらも、ヤマトは行く。あのラストに向けて。

次巻はやってくれるに違いない。刮目して待て!

余談
マクロスのゼントラーディとザンボット3の人間爆弾またはゲルショッカー戦闘員がたされてガトランティス人。
滝和也

滝和也