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犯罪の女王のoden8のレビュー・感想・評価

犯罪の女王(2016年製作の映画)
3.8
"息子に手を出すな。"
by イクスのオンマ

母親の愛に勝るものはない。

タイトルから勝手に、犯罪者側の女王様やと思ってたわん。ちゃうのね〜ん。

都会で一人暮らしをする最愛の受験生の元に高額な水道料金が請求されるトコから物語が始まり。そこから、オモニパワーを炸裂爆裂さていくのよん。
主演のパク·ジヨンさんがとにかくパワフルなのね。何処にでもいそうな感じでありながらも、ちょっと愛情が過剰な感じがコミカルでいいのよね。また、ちょいレトロなファッションがよく似合ってはるのよ。その感じが、ノスタルジックなサスペンスの女王感が出とって好印象でしたわん。キャラのせいか、どんどん愛らしく思えてきますのん。

母親のお節介が、時には煩わしく疎ましいこともあるでしょう。だけど、その温もりと包容力には、ナニモノにも変え難い安心感があるのよね。その安心感が、人の心を育んでいくんでしょうね。
母親の有り難みは、その存在を俯瞰で捉えないと気付けないこともあるかもしれないよね。
オモニの愛情の温もりを初めて知った時のゲーテの表情、再認識した時のイクスの表情。彼らの表情がめっちゃ穏やかで優しくて、その愛情の温かさを物語ってくれてはるよねん。

水道料金を巡る熾烈な攻防から、サスペンスに発展していくストーリーも面白いのよん。シチュエーションがコンパクトに纏められていて。登場人物の心の機微が伝わってくる脚本もお見事。一人のオモニから少しずつ皆のオモニになっていく展開も、ハートウォーミングで好きやったわん。
コメディとサスペンスの割合と緩急も絶妙やったよね。
演出の仕方も、小洒落てて好きだったわん。回想と現在や幻想のフェードインアウトとかが、僕の嗜好にゃビンビンだったのよん。

さぁ お食べ
これがオンマの味やで
頑張るアナタをほっとけへん
辛そうなアナタもアタシの子
アタシはアナタのオンマやで

"法律家になる人間が、そんなこと言っちゃダメ。"
by イクスのオンマ

Cast(役者·キャラ) 4
Story(物語) 3.5
Architecture(構成) 4
Picture(画) 4
Acoustic (音) 3.5
23-407
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