ワルキューリ

アトラクション -制圧-のワルキューリのレビュー・感想・評価

アトラクション -制圧-(2017年製作の映画)
3.5
折からの隕石雨とともに宇宙からやってきた未確認飛行物体。ロシア上空に侵入したそれに対して軍は先制攻撃を仕掛けるが、それにより不時着した物体の巻き添えで周囲の住人232名の死者を出す大惨事となってしまう。政府は周囲を封鎖し、彼らが飛行体を修理して宇宙へ旅立つ日を待つことを決定するが、大切な人を亡くした住民の招かれざる客への不満は日増しに高まっていく。
軍大佐の父を持ち、恋人のチョーマと熱愛中の女子高生ユリアも親友のスヴェタを亡くし、怒りにかられチョーマの友人らとともに立ち入り禁止区内に入り込むが―――

定番の異星人対人間のドンパチものかと思いきや全く逆で、人間の勝手な行動によって迷惑を被る異星人と、人間の心の疑心暗鬼や葛藤を描くタイプ。例えるなら『ウルトラマン』と『E.T.』のウォッカ割といった感じ。
雪が降り積もるビジュアルは、フォールアウトするチェルノブイリのよう。また、あるきっかけでユリアが身につける腕輪の能力は幻想的な光景で惹かれた。

親子同士でも、まして恋人同士でも分かり合えないのに異星人と交流することはできるのか。
相手を認めないのなら異星人以下じゃないのか…
思春期に抱える悩みを適度な味付けで仕上げた一本。

チョーマがちょいあからさまなヤンギレすぎたり、結局不死の存在とかラストの決断はどういうことなの…って説明は欲しいぞ(笑)