kao

夜間もやってる保育園のkaoのレビュー・感想・評価

夜間もやってる保育園(2017年製作の映画)
3.0
すやすや眠る子供の顔はいいねぇ…。ほんとに。
25年前、私、会社で育休第1号だったんですね。当時はまだ『預けて働くなんて子供を犠牲にしていいのかぁ~😧?』なぁんて理解のないことをシャーシャーと吐く古い昭和の親父的な上司がまだ大勢のさばっている時代でして、、でもそこで辞めたら『女はつつけばすぐ辞めるさ』って思われるのが悔しくて貫き現在に至る、です。子供らにも『人は何かしら仕事してお金もらってごはんを食べる』ってことを小さな頃から当たり前に見せておきたかったんで。
うちの子は6つ違いでどちらもゼロ歳児クラスから預け、つまり保育園に12年通ったわけ。でもその保育園は公立。当時延長保育ってのがあり夜7時迄利用、うちはいつもラストお迎え組。
この映画で観たかったのは、夜もやってるってどんな感じ?しかも都会のど真中。どんな人が預けてるの?それが知りたくて。
自分が昼間仕事してるってぇと人様も同じだろうと思いがち…でも違うよね、夜も仕事してる人はいるわけで、そういう人にだって家族もいて子供を持つことだって諦めなきゃいけないわけじゃなくてみんな精一杯日々まわしてる。
夜の仕事…飲食店をやってる人?くらいしか浮かばなかったのに、ちょっと意外だったのが厚生省に勤務しているお母さんも残業帰りでお迎えに。ホワイトカラーだって実情は楽じゃないのね…たぶん夜勤もある看護師さんや介護士さんなどもこの映像には出て来なかったけど必要な場所なんだろうと思う。全国に80しかないという夜間保育園。少ないとは思ったけど、じゃ全国に夜間の仕事をしてる人は何人くらいいて、それに対して足りる夜間保育園は何ヵ所あればベストなの?そんなことも掘り下げて欲しかった。
保育士さんと親たちの言葉は共感できる部分がとてもあって、できれば卒園した子供らにも当時ここで過ごしたこと、楽しかったのか、寂しかったのか、正直な気持ちを聞きたかったなぁ。

別の新宿の夜間保育園の副園長さん、ピアスしてる気のよさそな男性で、彼の話が心に残る…。
一時預りの赤ちゃんのお母さん、待てども迎えにこない、そして連絡つかなくなり…無邪気に笑うその子、あぁ、この子、捨てられたんだね、、と思いながら接していた…という切ないエピソード。
子供に接する時間は長さではなく質だと思う。でもそれは親が最低限の気力と子供への愛情がみなぎっていればこそ。でもいつでも元気いっぱいじゃない。しんどい時期もある。生活に疲れてにっちもさっちもいかなくなってる親をどーにかせんといかんと思います。

偶然この日は監督と園長先生のミニトークが上映後にあってちょっとお得な気分でしたが、園長、ホントに喋りも自由すぎるくらい気さくで明るい肝っ玉母さんってなお方でした。
園長ご自身も過去そりゃ色々あって、そんなこんなのあれこれ辛い思いが、人様の子供を全力でサポートしていきたいっていうモチベーションになっているのかなと。

保育園は第2のおうち。大事☺️
kao

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