ちぢみりゃんまち

桜桃の味のちぢみりゃんまちのレビュー・感想・評価

桜桃の味(1997年製作の映画)
4.2
 自殺幇助ができる人間を探して主人公の男がひたすら車を走らせるイランのロードムービー。
 本作が名画と言われるのは、一方向的で一過性の人生讃歌に終始する一般映画とは一線を隠し、観客一人一人の物語としてテーマを与えている点だと考える。
 ラストシーンは賛否両論なので哲学的な考察に任せる。
 本作を観ていて自分は父親と息子の関係性、父性を感じずにはいられなかった。ひとことで面白いとは言えない映画だが、それこそ観客それぞれの人生に、ひとつの桜桃を授けてくれる映画であろう。