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ハードコア・オブ・ザ・デッド レイプゾンビ外伝の消費者のレビュー・感想・評価

1.1
・あらすじ
女性の人権が増長し、童貞やキモ男への迫害が過激化していった世界で突如起こった世界同時多発無差別レイプ現象
それは男達の女性達への憎悪の爆発なのか?
あるいは人類絶滅を回避すべく発動された本能の暴走なのか?
全世界で巻き起こった“毒男”や“DQN”、“リア獣”などと呼ばれるゾンビパンデミック後の世界を描いたゾンビポルノ映画、「レイプゾンビ」シリーズの外伝として製作された唯一長い間、発症せずにいた男性、姉小路シンジと周辺の人物達を軸に前日譚を描いた作品

・感想
大元である「レイプゾンビ」シリーズはZ級に近いチープな描写に満ち溢れたポルノ映画でありながら興味深い論説も交えられてバカに出来ない面白さもあった

一方で今作はこれまで以上に偏ったステレオタイプな女性像や男性像、オタク像が強化され過ぎていてポルノ業界から生み出された作品の悪い部分が目立ち過ぎており、男女の分断も極めて陳腐
ネット上に氾濫するミソジニーやミサンドリー、インセル、表現の自由戦士などの歪んだ層の仮想敵に向けた憎悪をそのまま反映させてしまった様な印象だった

シンジのアシスタント、松本に思いを寄せパンデミック発生後に処女を捧げようとした彼の腹違いの妹などもドラマ物AVそのままといった感じで安っぽさをより増長させていたと思う

これまでの作品にも有害性は少なからずあったもののある程度、自覚的な露悪性に留まっていたのに対して今作はただただ有害な作品だと個人的には感じた
そうさせていたのはこれまでの作品において男女の中立的立場として活躍していたオタクの様な存在が無かったからかなぁ、と

それに加えて笑える部分が少なかったのも大きい
レイプを含む全ての性犯罪を合法化した世界を描く、という松本の漫画の案に対して彼の妹が言った“ほのぼのレイプ”という単語くらいかなぁ笑えたのは…

前作までを楽しめた人も別に観なくて良いんじゃないかと個人的には思う
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