コーカサス

ニア・ダーク/月夜の出来事のコーカサスのレビュー・感想・評価

3.4
女性では唯一のアカデミー監督賞受賞者 (『ハート・ロッカー』) で、のちの『ブルースチール』や『デトロイト』でその手腕を遺憾なく発揮することになるキャサリン・ビグロー監督の若き才能を垣間見ることができるデビュー作。

本作と共に今もカルト作品として根強い人気を誇る『ヒッチャー』の脚本エリック・レッドと共同で脚本を担当したビグローは、最も古典的なホラーである吸血鬼で偽りの家族、即ち疑似家族を作り、彼らに旅をさせ、物語全体に西部劇やロードムービー、純愛といった様々な要素を取り入れ、異色のヴァンパイア・ホラーを作り出した。

さらに『恐怖の報酬』で我々に強い印象を残したドイツの電子音楽グループ、タンジェリン・ドリームの音楽がここでも効果的な役目を果たしている。

99 2021