これは家族の物語。
裸足のつま先立ちで、荒廃した町に、白い砂を敷いた”安全地帯”を歩く。
音を立ててしまいそうで、見ている者は、まばたきさえできない。
奥歯を噛みしめながら、凝視することしかできない。
息をひそめながら。
無音の圧。
ありふれた田舎の風景が、そこに潜む恐怖を際立たせる。
手話が凝縮された感情をほとばしらせる。
“極限状態”を描きながら、”家族”を描く。
だからこそ、父の命をかけた”叫び”に、見る者は涙する。
ジョン・クラシンスキー初監督作品。
エミリー・ブラント主演。
劇中でも、現実世界でも、夫婦の初タッグ。
ちなみに今作で、唯一流れる曲は、ニール・ヤング( Neil Young)の”Harvest Moon”。