全国おにぎり協会

四月の永い夢の全国おにぎり協会のネタバレレビュー・内容・結末

四月の永い夢(2017年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

内と外の境界が曖昧で、ゆるやかな共同体がずっと描かれていた。昭和のような雰囲気。外の階段で部屋の中にいる人と話す様子、お祭り、銭湯、屋外での雨宿り、鍵の掛かっていない玄関。外でイヤホンで音楽を聴く姿は、外に個人の空間を拡張しているように見えた。
明確な境があったのは、教え子の女の子が怯えていたあの部屋くらい。あのシーンも、下の階の人達と共に助け出すところが良かった。ゆるやかな連帯。

風景を映す時の雰囲気が写ルンですっぽくて、よい味。

ながいながい春の喪の期間が明けて、ようやく夏がやってきた。彼からの手紙のシーンで燃えているのは、今まで貰った手紙だろうか。お焚き上げ。
「言葉」を大切にしており、他者からのさり気ない言葉がラジオなどの形で主人公の周囲に溢れている。
ラジオを通して気持ちを届けようとするところ、曲リクエストでエンドロールに入るところ素敵だった。