湯っ子

THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティの湯っ子のレビュー・感想・評価

4.0
美しい悪夢との闘いと勝利。涙は心にとどめて、今この瞬間を見据えよう。

ファーストシーンから、夢うつつの世界観に心奪われる。え〜、これって「チワワちゃん」の監督なんだよね?すごくいい。なんで「チワワちゃん」はあんなに残念だったんだろう(個人の感想です)。
これは主演のふたりによることもとても大きいと思う。桜井ユキって岡崎京子の描くヒロインそのものだ、顔もスタイルも。高橋一生、いまさらながらかっこいい…、何あの羽織、良すぎる。
お話は「ヘルタースケルター」ぽいし、このふたりなら、りりこと麻田いけるんじゃね?とか思っちゃう。

若い女だった頃、私は性的な存在だった。多くの若い女がそうであるように。
人目を惹くことを意識して装うことはとても楽しくて、それで得することもあったりいい気分になれたりすることもある。だけど同時に、何かしらのリスクを覚悟する必要もあった。一歩家の外に出たら、他人の視線と自分の視線がレーザーのように照射しあうのを感じる、窮屈なのにそれを求めずにいられない。
いつでも何かから急かされているように感じるし、何かを待っているような気もする、あの頃の私がこれを観たらブッ刺さったんじゃないかと思う。
湯っ子

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