余計な装飾を排したミニマルな人生讃歌、といった趣。シーンの多くがドライブする車内での会話というのは新鮮。
ロングショットで捉えられるイランの夕方の休日を切り取った風景は美しく、なぜか郷愁を誘う。
…
ずっと観たかった映画で
誕生日前夜にこれを観ようと思って
ソファで横たわり観てたら
普通に寝てた…
バディという男が
途中で拾った青年とうだうだ話しながら
車を転がし続けて、
どうやら大金を渡すの…
本当は誰かに止めて欲しかったんだね
この美しい世界からいなくなってしまうことを
必死に命を繋ぎ止めようとする人もいれば早く終わりにしたい人もいて
たったひとつの桑の実の甘さや桜桃の味
そんなちっ…
まったくもって老人の言葉で自殺を思い留まるようにも思えないが、そもそもなんでこの男が死のうとしているのか、何も分からない。ただ車とはげ山が現れ、人が働き、些細な交流をするのみ。『ニーチェの馬』の絶望…
>>続きを読む(C)1997 Abbas Kiarostami