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トップガン マーヴェリックのPikKaのレビュー・感想・評価

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36年ぶりの続編。

機が熟すまで大事にあたため続けたトムだからこそ作り上げられた続編。
そして今このタイミングで解き放つ意味。

前作が好きだっただけに、あの頃と時代が変わりすぎた今あらためて撮るのは世界観が…と不安もありました。

だけど、実際に本編が始まると同時に前作の雰囲気をしっかり引き継ぎながら懐かしい音楽たちの力もあってスムーズな導入でオープニングから懐かしさと嬉しさと興奮がないまぜになったような気持ち。

そして時代が変わった今だからこそ、今までのやり方はもう古い、パイロットが不要になる時代が目の前まで来ているという話も織り込みながら、あたらしさもしっかりあって一気に期待も加速!

Ready for takeoff!!

前作でトム・クルーズがマーヴェリック/ピート、アンソニー・エドワーズがグース/ニック、ヴァル・キルマーがアイスマン/トムを育て上げ、そのキャラクターたちが築き上げてきたエピソードや絆があるからこその深みを持たせた今作の作り込みに胸が熱くなりっぱなし。

実際に彼らが動かしている機体にIMAXカメラを様々な位置に積んでいるからこそ、彼らのハラハラする瞬間や苦痛に顔を歪める瞬間など臨場感たっぷりにこれでもかと収めています。

常にリアリティと「ファンのために」を求め続け、限界を決めない。
毎回ファンの期待にしっかり応えながらも、さらにその先をいく。

さすがにこちらが心配になってくるほどにいつだってトムは上へ上へ、先へ先へと行く。

トムが真っ白な歯をニカッと見せて、「どうだったかい?満足してもらえたかな?」と語りかけてくる姿が脳内再生されました(笑)

アクションなど映像面のド派手さと同じくらいに、アイスマンとマーヴェリック、マーヴェリックとグース、グースとルースター、マーヴェリックとルースター…登場人物それぞれの想いや繋がりが丁寧に深く描写されているので何度も涙が溢れました。


前作を知らなくてもある程度ついていけるけど、知っているともっと楽しいし深まります。
それほどにトム本人が大事にあたためてきたからこその続編である世界観やファンのために作ったという意味が各所に鏤められた演出に感極まります。

もっと凄い技術に溢れた作品に見慣れている人には、前作『トップガン』が今の時代に作られていたら物足りないし暑苦しいかもしれない。
だけど、あの時代に作られたということ。
机上のデジタルでなく現場でリアルに作られたということの凄み。

そして、そんな前作があったからこその『トップガン マーヴェリック』。

「技術の進化でパイロットが不要になる日も近い。なのにどうしていつまでも現場にこだわるのか。」というようなやりとりが序盤にあるんです。
マーヴェリックというキャラを超え、俳優 トム・クルーズとして、そしてアナログからデジタルやハイテクになりつつある現代。
人件費削減や人手不足で接客までもAIやロボットに変わられてきている昨今と重なるからこそ今、これが作られた意味は深い。

だからこそマーヴェリックが限界突破しようとするような行動や、古臭くてもベタでも熱い人間関係や絆を同じくらい押し出したり、トムたちが現場でのリアル、さらに映画館公開に拘った想いが強く熱く伝わってくるから、いつまでも大事にしていきたい作品。

初回はアトラクションさながらの体感がある4DXで鑑賞しました。
すべての感覚をフルに活かして、まさに現場にいるような体感での映像体験。
まるで狭いコックピットの中で振り向いて彼らを間近に見ているような迫力の映像だらけ。
4DXやIMAX、ScreenXなどの特殊スクリーンで是非体験してほしい。

余談ですが私は劇場売店でホットコーヒーを買いました。
前作のあの場面が好きだったので(^^)
さすがに私はこぼすことはしませんでしたけれども(笑)
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