キツネとタユタム

トップガン マーヴェリックのキツネとタユタムのレビュー・感想・評価

4.7
伝説のパイロット、マーヴェリックがエリートパイロットチームトップガンの精鋭を鍛え上げ、不可能な任務に挑むお話。

36年越しの続編であり、続編としても、一本の映画としても最高の出来。
前作をなぞる演出の懐かしさには涙腺が緩む。オープニングで有名楽曲デンジャーゾーンに沿えて、空母の滑走路を写す演出は前作踏襲でズルい。

前作は自分勝手で協調性が無かった男が、成長していく物語だった。
今作はそんな成長した男が、自身の持ち味は捨てずに、新世代へ想いを伝えていく。

何が良かったのかを言語化するのはとても難しい。全体的に無駄が無く、熱い王道展開が凄まじく気持ちいいのである。
実行不可能なミッションに対して、無茶する男が一人だけ現実を知り、全員の心を塗り替えていく。
しかし、それは達成困難なもので、本人も凄く悩みながら、究極の選択を一人で抱え込んでいる。
最初は孤軍奮闘だったミッションも、様々な体験を経て、最終的に全員の心が一致団結した状態でミッションに挑む。
まるでスポコンドラマを見ているようで、それに「命を懸けた戦い」が入り込むんだから、手に汗握りながら、スクリーンに魅入ってしまうのは仕方がないことである。
ラストの展開も、もう終わりかと思ったあとに二転三転とこれでもかと窮地に陥る展開が連続してやってくる。もう最高の一言である。

ドックファイトに興味が無くても、アメリカンなパイロットのカッコよさが興味無くても観て欲しい。
そんなものを凌駕する未知の体験が出来ると思う。一つの映画の完成系なのかもしれない。
キツネとタユタム

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