鰤鰭

トップガン マーヴェリックの鰤鰭のレビュー・感想・評価

4.8
映像的にも物語的にも、ここまでカタルシスが何度も押し寄せる映画は他にあまり観たことがない!間違いなく最高の映画体験の1つになった。

IMAXで体感するドッグファイトの迫力、パイロットにかかる本物のGが可視化される説得力は言及するまでもなく素晴らしく、ワンカットでコックピットの外の景色がぐるんと移り変わる3次元の動きの映像的快楽が尋常じゃない!
映像と同じくらい音も凄くて、冒頭から機材・器具が立てる音のディテールがリアリティを底上げする。そして音による座席の振動!臨場感!感染対策のマスクして座席に座ってると自分もF-18に乗ってる気分になって手汗が。

ストーリーラインが1作目に準えて展開されていくことで、前作の景色と重ねながらも年月が経ち立ち位置が変化している点がエモーショナル。救い合い、互いに亡きグースへの誓いを果たす二人。
ミッション完了までがクライマックスかと思いきや、今作はそこからさらに追加のクライマックスが!トムの強力な存在感からこの映画のもう一人の主役を忘れていた。思えば冒頭のブリーフィングで既に伏線が張られていたが、前作からカムバックするのはキャストだけではなかった。同窓会映画の真髄、アツい!
間に続編を挟まず、36年間よく待ってこのタイミングで続編を作ったなぁ。この時代のこの2作目じゃないと成し得ない味わいがある。

そしてどれだけ物語に没入したとしても、やはり59歳になってなお現役のアクションスターを走り続ける映画人トムクルーズのドキュメンタリーとしても観てしまう。最初のマッハ10プロジェクトのシークエンスでもう泣ける。仲間のために、業界のために挑戦を続けるトム。
「未来に君の居場所はない」「だとしても今日じゃない」「これは職業じゃない、僕そのものだ」
古いものが生き残ることは困難と思われる新しい時代、技術、価値観が到来しようとも、トムがそれを可能にしてしまう。やっぱりトムはヒーローだ。
ビーチでまさかのトム走りもちょこっと観れた!

家で見直すときっと作品の印象も変わってしまう。劇場で鑑賞したこの体験を大切にしつつ、またいつでもリバイバル上映して欲しい…!


【2022/10/19 4DXSCREEN鑑賞後追記】
この作品で初めて4DXSCREENを体験したけど、本当にアトラクションだし鑑賞じゃなくて体感だった。冒頭のデンジャーゾーンが流れるシーケンスで早くもその威力に驚く。吹き抜ける風、機体が揺れる、旋回する、体が振り回される感覚、自分の体にも強いGがかかっているように錯覚する。視野の外側まで広がるSCREENXの空。向き不向きある上映規格だと思うけど、落ち着いて観るよりとにかく没入型のトップガンはうってつけだと思う。


【鑑賞回数】2
【鑑賞履歴】
・2022/6/8 🎞グランドシネマサンシャイン【IMAXレーザーGT】
・2022/10/19 🎞グランドシネマサンシャイン【4DXSCREEN】
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