バートロー

トップガン マーヴェリックのバートローのレビュー・感想・評価

5.0
シンプルな行って帰ってくるミッションを成功させる物語で、愛おしい「最後のアクションスター、俺トム・クルーズ」炸裂映画の何がここまで胸を鷲掴みにするのか。前作『トップガン』はもちろん、『ハスラー2』や『ライトスタッフ』『スターウォーズ』まで様々なオマージュ散りばめられたトム・クルーズの映画史的な趣き、加えて冒頭のエド・ハリス演じるやたら貫禄ある中将からの「もうお前らパイロットの時代じゃねー」発言。全てがメタ的にトム・クルーズと彼の浮き沈みあるキャリアに接続されるのは言わずもがな、2時間で分かるトム・クルーズ総集編でもある。配信にせず、劇場公開にこだわったのも納得とド迫力空中戦。思わず手を上げて驚いている客がいるほどの撮れ高とこちらにも伝わってくるほどのG描写。今更ながら戦闘機ってこんな動きをするのかと感嘆。今後何十年もあらゆるエンタメでお手本にされると思う。何より映画を面白くしているのは『怒りのデスロード』同様に整理されたタイムラインかなと思う。余白はあっても無駄がない、前作とのリンクをやりつつやり過ぎない、そして誰もが予想通りだと思った終盤のエンドポイントずらし。練りに練った職人の技を見たような気持ちのにさせられる。新なっち語録「棺桶ポイント」も映画にばっちり花を添える。