このレビューはネタバレを含みます
荒唐無稽な話を興奮と感動だけで成立させる、
「これぞ映画！」という作品。ストーリーや音響、CGなしの映像による感動もさることながら、スクリーンの端々から伝わる「最高の映画体験を届けるんだ！」という制作者たちの熱意に何より心打たれた。本作に携わったすべてのクリエーターにとって大切な作品になったであろうし、本当にいい現場であったことが感じられた。
また、本作はいわゆる“映画についての映画”という文脈でも受容されており、「君らパイロットは絶滅する」「だとしてもー今日じゃない」というケイン少将とマーヴェリックの掛け合いは、“劇場映画(映画スター)の終焉”に抗うトム・クルーズとして、様々な媒体で取り上げられている。しかし、個人的にこれよりもグッときたのが、終盤でのマーヴェリックとルースターが空母へ帰還する際のやり取りである。激しい戦闘のせいか左エンジンにも不具合が発生し、ルースターは「エンジンも欠落？」とマーヴェリックに尋ねる。それに対し、マーヴェリックは冗談っぽく答える。時代遅れのF-14に乗りながら、「教えないよ」と。
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