カレス

トップガン マーヴェリックのカレスのレビュー・感想・評価

3.8
IMDb 8.3
日本語吹替

Netflix配信をテレビで見ましたが、これはやはり音響設備の整った映画館の大きなスクリーンで見るべきなんでしょうね。
以前3Dの「ゼロ・グラビティ」を劇場で見ましたが、ストーリーを楽しむより映像を楽しむ映画だと思いました。ストーリーももちろんすごいんですが、宇宙空間に浮いているような感覚を味わいました。
たぶんこの映画も劇場で見ると、臨場感がすごいんだと想像できます。以前は毎年のように花火大会を見に行ったものですが、ローカルな花火大会でもかなり楽しめます。音が快感なんです。あと空いっぱいに見える花火。でも日本一の花火大会であってもテレビで見たら退屈ですね。また、米軍の横田基地や厚木基地の航空祭も行きましたが、ジェットエンジンの轟音はカミナリのように轟きます。F15イーグル、F16ファイティングファルコンなど見ましたが、F14トムキャットも見ました。トムキャットは大きく重く、その分エンジンも強力なので、エンジン音は他の機体よりうるさくて、トムキャットの運用上の問題点でした。前作の「トップガン」の時点で既に旧型のジェット戦闘機でした。
「トップガンマーヴェリック」をいい劇場で見ると、こういうエンジン音が響いて、更に飛行シーンでは空中浮遊感を味わえるのではないでしょうか。体感するという新しい映画の在り方ですね。

ストーリーはどうかと言うと、ぼくにはあまり響きませんでした。年寄りは誰でも若い時を経験しているので遠慮なく言えますが、一般的に若い時の方が人は輝いています。年寄りは輝いていないから不幸とは言いませんが、物語にするには輝いている方がたぶんおもしろい。こういう感じ方は個人的なものかも知れませんが、異端ではないでしょう。トム・クルーズは役柄をきちんと魅力的に演じていましたが、やはり前作の方が圧倒的にカッコいい。(「トップガン」は大好きな映画でDVD持ってるけど、グースが死んじゃうから悲しくて後半は見ない)

冒頭にマッハ10を目指す「ダークスター」という実験機が出てきますが、昔見たクリント・イーストウッドの「ファイヤーフォックス」を思い出しました。もっと角張ったソ連の新型ジェット戦闘機の映画で、こっち系の映画もいいですね。
エド・ハリスが少将として登場しましたが、軍人似合いますね。「ザ・ロック」ではハメル准将で、ニコラス・ケイジよりカッコいい。マイケル・ビーンのSEALDsの中佐もいい😭(カイルもいい😭)。あと「アビス」もいいし「スターリングラード」もいいし、空ものでは「アポロ13」のNASA管制官もいいし「ライトスタッフ」の宇宙飛行士もいい。(特筆:ライトスタッフの音速超えのテストパイロット、イエーガー(サム・シェパード)は実在の故チャック・イエーガー准将がモデル。将官でジェット戦闘機を操縦したのは彼だけで、WWIIではエースパイロット、たぶんパイロットに最も尊敬されているアメリカ空軍パイロット)
「トップガンマーヴェリック」にもチャック・イエーガーの逸話の影響があると思う。というか若きピート・“マーヴェリック”・ミッチェルはイエーガーがモデルなのかも。

閑話休題:「ファースト・エア」という航空軍事小説があるんですけど、これがものすごくおもしろい。新型ステルス機のテストパイロットだったかつてのエースパイロット、ボビー・ドラゴンが、中東の核爆発を機に政府の要請で私設空軍の指揮官になって戦う話。「ダークスター」が出てきた時、この小説も思い出しました。1992年の本なのでトムキャットも出てくるし、(ボビー・ドラゴンの上司はベトナムの英雄でF4ファントムに乗る🤪)著者は航空軍事関係のジャーナリストなので深い話が盛りだくさん。こういう映画作って欲しいなあ。
(オマケ)
ダークスターのインスタ
https://www.instagram.com/reel/Cpp6vfzvw5D/?igshid=YmMyMTA2M2Y=
カレス

カレス