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金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキストのTAMUのレビュー・感想・評価

4.1
思い起こせば2年前の大阪アジアン映画祭、金曜にオープニング映画として上映された本作。

仕事の都合で金曜は外せず、土曜から大阪入りして他の映画は見たものの結局鑑賞は果たせなかった切ない思い出。

反日映画との噂もあり一般公開は諦めてましたが、なぜか日韓関係最悪の中、2年の時を超え念願の初鑑賞となりましたー!わーい♪

関東大震災直後に大逆罪として捕らえられたパク・ヨル、そして恋人であった金子文子の物語。

序盤こそ、2人の馴れ初めが急転直下だったり、富士山描写に失笑してしまったりもありましたが、パク・ヨル役を演じるイ,ジェフン、金子文子役を演じるチェ・ヒソの熱のこもった演技合戦は見応えあり。
自分の意思で生きることに文字通り命を懸ける姿に目頭も熱くなりました♪

自由を求める韓国人と日本人の愛の物語であり、社会的弱者でありながら、崖っぷちまで虚勢を張り続ける者たちの力強い闘争の物語でした!

本作は全編日本が舞台ということもあり、キャストの日本語力は過去見た韓国映画の中で最高峰。
特に日本人である金子文子役を演じたチェ・ヒソの演技は衝撃的。
流暢な日本語と辿々しい韓国語を操る。韓国語のセリフは日本語の仮名を振った発音に置き換えて、それを覚えたという力の入れよう。すごー。

『ファイティン』に出てたイ・ジョンソクのリブートというかカッコいい杉村太蔵のいうかのクォン・ユル。本作では心の通う検察?役で日本語クオリティも、役柄も良かったな〜。

そして、嫌な日本人演じる専門役者キム・インウさん、本作では気が狂ってるの?と思ってしまうほどのダメ男爵💦

ところで、衝撃を受けたシーンも多々。パク・ヨルも金子文子も天皇制、引いては天皇こそが権力主義と差別を助長する根源と考えるアナーキスト。
パク・ヨルと金子文子が天皇陛下を罵倒するシーンに至っては、ドン引き、そして結構傷ついてしまいました💦

隣人に心を持って接しないと100年後にまたこんな映画作られちゃうので、少しでも今の状況が改善できると良いのですけど💦
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