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金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキストのmovieJackのレビュー・感想・評価

3.8
マラソンシーズン終了による完全休養日
鑑賞作品を模索していたところ
開始時間と今アプリでの高評価により前情報一切無く偶然駆け込み鑑賞

過去同様のテーマを扱った作品としては
「シンドラーのリスト」
「サウルの息子」
「アクト・オブ・キリング」
「ルック・オブ・サイレンス」等々を
懸賞しているが
その都度それらを実行した加害者側の国民はどのような気持ちで観るんだろう…と他人事の様に捉えていた

また関東大震災後に我が国内で日本人が朝鮮人に行った行為については
学生時の授業やメディアで少しの認識はあったが今作で初めて知った事柄も多く
その行為の発端についても恐怖心からの噂(デマ)や一般市民達の集団心理からと思っていたが
あんな組織の人達が画策したとは知らなかったし驚愕の事実であった

タイトルにもなっている
金子文子と朴烈(パクヨル)の二人については
決して屈しない強い信念と深い愛情
ユーモア溢れる言動により
全体的に明るくて重厚感が無さすぎるかな…と感じる程の作風で
グロい惨劇シーン等も殆ど出てこないが

その反動からか裁判中の演説的な発言のメッセージは誠に正論であり(私の低学力と知能ではですが…)
切実な訴えは感動的なシーンであり
天皇制等に関する内容は現代にも通ずるとも感じられ
天皇陛下の譲位が予定されている今年
改めて考える契機にもなると思え
特に若い世代は歴史的事実を知るためにも観るべき作品だと感じられた

残念な点は
制作国が日本ではなく
監督も日本人では無いこと…
そしてヤッパリ自分に日本人としての当事者意識(罪悪感)が実感として捉えられなかったこと…どこか他人事

だから人間は同じ過ちを繰り返すのだろうか
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