雑君

エンドレス 繰り返される悪夢の雑君のレビュー・感想・評価

3.7
2022年11月 アマプラ タイムリープという語り口、ジャンルにぴったりきっちり収まって、ああなるでしょうこうなるでしょうを過不足無く網羅した一品。特にはみ出そうとか爪痕残したろうみたいな気概は見えねど、サスペンスとしてまっとうに盛り上がる。 増えすぎて当たり前のつらしてデンと差し出されるタイムリープというジャンル映画は、現実離れして自分中心に世界が回る都合の良い事象を登場人物にまるっと受け入れさせ、何故それが起こっているかという根本的で至極当然の疑問からはうすぼんやりと目をそらす「もうそこはいいんだよ、そういうもんなんだからそれはアリってことでさあ」みたいな姿勢がどうにも甘えが過ぎるような気がしてしまう。神でも呪いでも偶然の発明とかでもいいからちゃんと理屈をつけてえな、と思っちゃうんだよなあ。さて本作はリープを繰り返す中、残酷な結果にあらがうよう行動するうちにじわじわと裏に隠された事情などが明らかになっていくわけだが、なっていけばいくほどにメインの医師には同情できなくなっていき、何度も復讐を成し遂げつつも飽き足らずに繰り返す復讐者にもちょっと寄り添えず、いいかげん「さてさてこれはどういうふうに話をたたむつもりかなあ」って気分で派手に巻き込まれた感じのもう一人のぶんまわしを見ていたらまあそれなりにたたんで終わった。今後もタイムリープというジャンルが続くんであれば基本のアイデア勝負はもちろん、リープのシステムそのものに切り込んだりひねったりしたものが見てみたいすねぇ。あらやだえらそう。
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