takanoひねもすのたり

エンドレス 繰り返される悪夢のtakanoひねもすのたりのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

復讐+タイムループ物。  

・外科医のジュニョンが娘の誕生日の待ち合わせに向かう途中で娘ウンジョンが事故死した現場に遭遇→タイムループ
・同時刻の事故に巻き込まれ妻が事故死した現場に遭遇するミンチョル→タイムループ
・タイムループを繰り返すもう一人の男
この3人がもつれ合うサスペンス。

序盤から早い展開でタイムループを繰り返すので、どういう先行きになるのだろうと思っていたら同じくタイムループを繰り返している人間が現れ、お互いに連携して家族を救おうとする展開になった点が意表をつかれた感。

回避したのにタイムループは閉じず再び繰り返された時に、もうひとりキーマンがいたという展開がタイムループ+ミステリーとして捻りがあり、繰り返しによる"飽き"をいい具合に散らして物語の力で引っ張っていった。

過去の罪の贖罪と、赦しがテーマかな……。

"赦されたい"と、やった側が思うことは身勝手であるし(ジョニュン)かといって"殺す"(ミンチョル)という手段を取ることも身勝手であると思う……。

主要登場人物の中の一番の弱者(搾取された人間)が"赦す"ということが鍵になっているところや彼の善性に訴える手段、最後に子供の純真さにより彼の心が復讐から離れループが閉じるという演出(移植した心臓の中に息子がいる)ことで救いになるかといったら息子を喪失した苦しみとイーブンになるかっつたら……、人情へ寄せてしまった結末にいいのか悪いのかちょっと複雑な気持ちになってしまった。