【タバコをスケープゴートにする現代社会への諷刺】
ジェイソン・ライトマン脚本・監督作品。
タバコ会社への批判をかわす役割の宣伝マンを主人公に、タブーの多いアメリカ社会の中で生きる人間の生態をユーモラスに描いている。
一方で映画界に働きかけてタバコを吸うシーンを増やさせようとするタバコ会社の策謀をあばいているが、他方でタバコや酒などをスケープゴートにして自分の選挙区の特産品にはめをつぶる議員のご都合主義をも批判しており、多面的で含みの多い作品になっている。
主人公とその息子との父子関係もユニークで面白い。
今どきは「タバコは悪」と信じ込んでいる人間も多いだろうけど、旧世代である私に言わせるなら、人類が喫煙を覚えても人類は滅亡しなかったし、人口はむしろ激増していたのだ。
昨今の少子化は、タバコを敵対しするような「健康絶対主義」と否定してひどくなっているわけで、それがなぜか、ちゃんと考えた方がいいと思うね。