普通じゃない人たちの普通じゃない人間関係が描かれている。朝子の行動は褒められたものではないし、普段きちんと社会にはまって生きている側（私もその一人のはず）からすれば腹立たしく、不可解である。思うに、彼女はこういう風にしか前に進めないのではないだろうか。普通に考えれば見捨てて当然の亮平がドライになりきれなかったのも何だか分かるような気がする。亮平の友達は多分、「そんな女会わない方がいいよ」と言っただろう。でも結局彼は朝子を受け入れる。これも普通の感覚からすればありえないのかもしれない。恋愛なんて多かれ少なかれこういうもののようにも思う。思い通りになることばかりではないし、楽しいことばかりでもない。ラストシーンで形を変えて流れ続ける川のイメージが二人の関係と重なり、美しかった。
