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寝ても覚めてものsushiのレビュー・感想・評価

寝ても覚めても(2018年製作の映画)
4.5
本作の最も重要なモチーフは水。
水は高いところから低いところへと流れていく。この絶対的な性質が人間の欲と重ねられている。
本作に高低差を意識したショットが多いのは、この水の性質を意識したものだろう。この文脈において人々が足元を見る行為というのは内省することのメタファーになっている。
さらにここでいう内省(それは大きな衝撃を契機とする)は、例えばペルソナを破壊して本性を剥き出しにすることであったり、今まで見過ごしていた何かを再発見することでもある。前者の作業は演技論のくだりで、後者の作業は震災後のボランティア活動で遂行される。
そして東出昌大と唐田えりかが最後に見つめる「汚い川」とはまさに人間の穢れた(それでいて真っ直ぐな)欲そのものだろう。
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