井出

寝ても覚めてもの井出のネタバレレビュー・内容・結末

寝ても覚めても(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

何が好きか。夢と現実の境界を乗り越えて、というか、僕らはそんなにぱきっとわけてそれらを認識していない。現実とはそういうもの。
その現実のなかで、好きを選び取る。きっかけは顔であれ(顔がきっかけで亮平を選んだ)、思い出が美しかったとしても(どうしても麦が気になる、変な別れだし、でも5年も積み重ねて亮平の全てを好きになった、でも自分は亮平を顔で選んだのかもしれないという疑い)、他者からどんな評価を受けようとも(やっぱり麦が好きだったから亮平を選んだのね、いやそれでも亮平を愛すべきだ、そういう評価のなかにあてはまるような愛でもない)、自分の「物語」と論理的に繋がらなくても(でも確かに自分のなかでは揺らぎがある、わからない)、その場その場で好きとか愛を決められる(いや、顔とか思い出とかどうでもいい、麦だ、ここはどこ?仙台?やっぱり亮平だ!)。いろんな選択肢があるから、自分を同定することも難しい。でも僕らの愛はそういうもんなんだろうね。

トーフビーツの音楽もマッチしていた。
川の近く、水の音、猫、これが映画を飽きさせない。いつも絵がサマになってしまる。

最近伊藤沙莉をよく見る。上手だよな〜、平成?の杉村春子みたいな。目指してほしい。
井出

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