パスカル

寝ても覚めてものパスカルのネタバレレビュー・内容・結末

寝ても覚めても(2018年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

女は上書き保存、という言葉があるけれどそういう人とは違って今まで好きになった人を全て思い出した時にどれくらい好きだったかで順番をつけられる人や過去好きになった人は好きなままな人の気持ちが分かる人は、朝子の行動にも少しは共感できるのでは。

麦が来た時の朝子は、選択するという考えに至るより前に目の前にある麦の手をとっていて、純粋にこの子すごいと思った。
その後に、麦の車から唐突に降りるシーン、私の見解では理性が戻ってきて(経済的にとか、どっちの方が幸せに生きていけるか)降りたんじゃなくて、あれも朝子の中であの時突然に麦より亮平を愛している自分に気付いて衝動的に行動しているシーンだと感じた。

あんな衝動的に動けるのはある意味羨ましいし、あの正直さと行動力が朝子の魅力でもあるけれど、やっぱりあまりに身勝手で亮平が可哀想で辛い。
最後、あの形で収まって得をしたのは朝子だけだと思う。朝子は麦への気持ちも亮平への気持ちもすっきりしたはず、でも亮平の心の傷は一生回復しないし、けれど朝子の事は好きだから朝子がここにいる事を許すしかない、それって卑怯だ。
朝子が2度と亮平を裏切らないとしても、もう前のようにはいかないし亮平の心の大切な部分は戻ってこない感じがする。

アロマンティックぽい子と一緒に見たので朝子の行動への意見が全然違ってワイワイと楽しく見れた。

映画の評価としては、唐田えりかの関西弁がキツいと感じたけど関西人は腹立たなかったのか聞きたい、撮影や音楽は特別良かったと思ったところは無いけど邦画特有のドン引きする演出は無かった、ストーリーも邦画の他の恋愛映画に比べたら色々考えたくなるシーンが多くて良かった、という感じ。
パスカル

パスカル