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Return to Sleepaway Camp(原題)のhorahukiのレビュー・感想・評価

Return to Sleepaway Camp(原題)(2008年製作の映画)
3.3
「奴」が帰ってきた!?
サマーキャンプを楽しむ若者たちだったが、いじめられっ子な太っちょアランくんに酷いことをした奴が1人また1人と殺されていく…。犯人はアランくんなのか。それともあの伝説の「死の天使」が帰ってきたのか…。

『サマーキャンプ・インフェルノ』から続く『Sleepway Camp』シリーズ5作目にして現時点での最終作。評判の悪い(私は大好きだけど…)2作目と3作目、そして未完の4作目を無かったことにして、1作目の直接の続編になっています。監督も2作目以降製作に回っていたロバートヒルツィックが復帰。

そして注目すべきはあのお方の再登板。この人出てきちゃったら物語がどうなるか予想できちゃうんだけど、わかってても楽しいから困りますね、このシリーズは。

今作の主人公は太っちょないじめられっ子アランくん。でもめちゃくちゃ性格悪くてちょっとしたことでキレては周りに迷惑かけまくってる。食事を投げ捨てるわ、アイス盗み食いするわ、大声出してキレ散らかすわ。しかも気の弱い奴には横暴な態度で当たり散らすクソ野郎。その上、汗シミついたシャツをずっと来てるから女子から「くっさ!」と指摘される始末。これはいじめられてもしゃーないわ…。

今回も殺しのバリエーションは豊富。1作目にもあった顔面大火傷に始まり、ち◯ぽにワイヤー巻いて引き抜いたり、生皮剥いだり。時々殺しのシーンで映り込む犯人は黒づくめで正体は誰なのかを最後まで引っ張ろうとしてるんだけど、体型とか色々と隠しきれてない情報が気になる…。

いじめられっ子と彼をかばうキャラの存在。そして、いじめられっ子に酷いことをした奴が殺されていくことから始まるミステリー展開。リアリティよりもアホっぽさを重視した笑える殺害シーン。そして犯人の顔のアップをラストカットに持ってくる構成。原点回帰とはいえ、1作目とあまりにも酷似してるせいで劣化コピーのように感じてしまう。

これなら2作目以降のアホ映画路線の方が面白かったと思うけどな〜。それに1作目のアンジェラと違ってアランくんには全く同情できないから、どんなに酷いことされても何とも思わない。差別化を意識したがために物語自体の魅力とか吸引力が明らかに1作目より減退してしまってる。

残念ながらシリーズの中では(4作目を除いて)一番好きじゃないですね。とはいえ本作含めてどれも最後まで楽しく見れる(これまた4作目除いて…笑)ので、優秀なスラッシャーシリーズだと思いました。ホラーリメイクが流行っていた2000年代は正直イマイチなクオリティなリメイクが多かったけど、『ハロウィン』や『サスペリア』が成功してるこの時代に本気のリメイク(もしくは続編)を作って欲しいです!
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