茜

美女とエイリアンの茜のレビュー・感想・評価

美女とエイリアン(1957年製作の映画)
3.5
ロジャー・コーマンの初映画作品。
このお洒落なジャケットも素敵だし、67分というコンパクトな尺もお手軽。

古き良きエイリアンの造形が楽しめるかなと思ってたけど、そういう特殊効果で魅せる作品ではなく、俳優陣の演技力で勝負する内容。
怪しげなサングラス男ジョンソンと彼に雇われた美人看護士ナディーンのお話で、特にジョンソン役の俳優さんの無表情で無感情な演技が怪しさ満点。
ジョンソンが開始早々にサングラスを外すと目が白濁していて、この男がエイリアンであるという事実は初っ端から明かされる。
こいつの目的は何なのか、ナディーンは一体どうなってしまうのか…を楽しむスリラー映画って感じでした。

50年代の映画なので技術的に難しい事も多かったと思うんだけど、しっかりとスリリングで不気味な雰囲気が出てる。
最近はビジュアルで攻める映画を多く観てたので、シンプルに演技で攻める恐怖モノっていうのも新鮮に感じたな。
終盤でしっかりエイリアンの姿も観れて満足です。ふんわりしたスカートみたいで可愛かった。

ラストシーンでじわじわとこちらに迫ってくる人影がすっごく良かった。
「忍び寄る恐怖」が観客にだけ見えてるだなんて、余韻も含めて何とニクい演出。
茜