しゃけ

さよならの朝に約束の花をかざろうのしゃけのレビュー・感想・評価

4.3
老いることのない一族イオルフと、人間の別れの物語。
人間を愛しても自分より先に死んで別れがきてしまう事が分かってるから、幸せそうな場面でも常に切なさがつきまとう。
 
友達に絶対エリアル好みやからみて❣️っていわれて見たら、ちょ〜〜好みだった……(主に酒場でのシーンくらいの年齢)😉

はほんっっとうに色んなテーマがあると思うんだけど、印象強く伝わってきたテーマは「時の変化には抗えない」ってことだったと思う。ほぼ不老不死のイオルフは人間と関わらなければ時が進むこともないのに、イオルフのマキアは人間の子供を愛してしまう。エリアルを育ててく幸せそうな日々のシーンの裏で、「いずれエリアルはマキアよりも先に死んでしまうんだ」っていう切なさが常につきまとう。し、時間による変化の残酷さをひしひしと感じさせられてた。
幸せな過去にしがみついて変化に抗って暴走したクリムは作中で悲しい結末を終えるし、悲しい別れの後に「すぐに忘れられる」と自分に言い聞かせるようにいったレイリアに「こんな美しい世界、忘れられるはずがないよ」っていうマキアのセリフとか、時が進むことによって起こる状況の変化や別れに抗おうとしたキャラクターの言動に対して、否定的な描写があったところから、作者「どんなに頑張っても進む「時間」に抗うことはできなくて、その中で苦しい別れや思い出に沢山出会うけど、忘れるんじゃなくてそれも自分の一部として、その先も日々を紡いで生きていかなきゃだめなんだ」ってメッセージを勝手に感じてた〜〜

あとさ、エリアルとマキアの関係じゃない?これ、語りたい人たくさんいるんじゃない?

エリアルが思春期の中でマキアへの感情の落とし所に悩んでたの、本当〜〜に悶えた。酒場でマキアを見つめるシーンとか、昔みたいにキスしてよってゆうシーンとか、エリアルなりの愛情表現というか。でもマキアはエリアルをかわいい子供としかみてない……小さい頃エリアルが織ったヒビオルを今のエリアルがふんだとき、「踏まないで!大切なものなんだから」って怒るの、そりゃエリアル、「いつまでもガキ扱いすんなよってなるよな〜〜;;お母さんに愛されてる過去の自分に嫉妬しちゃうよ

ディタの「本当に私で良かったの?」発言とか、「エリアルのお母さんに嫉妬してた」発言から、ディタや周りからみてもエリアルがマキアにお母さん以上の感情を持ってたって気づくくらいだったのかな、と。
最終的にはディタや産まれてくる子供たちを本当に愛してると思うんだけど、エリアルがマキアの元を離れたのは、今のままじゃ守れないから、という気持ちと、マキアへの気持ちを抑えるためだと思った。現に、ラングとの会話で「こんな気持ちに気づいてしまった」と言ってるわけだし。

レイリアがあんなに自分の娘に会いたがってたのに、別れ際あっさりだったのも、闇堕ちクリムの行動も、もや〜もやが多かったんだけど、それも全て「人間とイオルフは本来一緒にいるべきではない」って考えが根本にあると考えたら、納得がいくものだった…クリムも1人だけ過去に囚われて、周りがみんな外の世界で自分の居場所を見つけて幸せそうにしてたら辛いよねえ。

ちょっとほんとに…よかった
エリアルかわいすぎるーーー!(本音)
しゃけ

しゃけ