ロクシ

さよならの朝に約束の花をかざろうのロクシのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

FFタクティクスとFF12の絵の人だ〜子育ての話泣けそう〜と思って視聴。
動画レンタルが864円もしたのでハードルを上げに上げまくって視聴してしまいました…(T_T)
中盤、エリアルが反抗期に入ったあたりまでは世界観に浸れてすごくおもしろかったです。
特に、マキアが知らない土地で一人で子供を育てていくために職探しに明け暮れ、言うことを聞かない幼い息子に「どうしてママを困らせるの!!なんで言うことを聞いてくれないの!!」→「私全然お母さんになれてない…」のシーンにはものすごく共感しました。

ただ、エリアルが家を出て戦争になったくらいから展開早すぎ&ご都合主義が目について、少し冷めてしまいちょっと感動できませんでした。
私の心が汚れてしまったのかな…。

思春期のエリアルが酔っ払って帰ってきたシーンを見ていると、マキナに恋愛感情的なものを抱いてしまって葛藤してるのかと思ったけど(キスしてくれよとか言ってるし)その後彼の心情は深く描かれず…。
そこのドロドロした部分を描いてくれたらすごくいい映画になった気がします。
多分エリアルはマキアへの複雑な思いを断ち切って、偶然再会した幼馴染と結婚したんだと思うんですけど、そのへんの心情描写が端折られててちょっと残念。

※追記--
ネットの解説を読んでいると、やはりエリアルは育ての母でありながら自分と同年代の外見をした女性であるマキアに恋愛感情を抱いてしまっていたようです。ガキ扱いするなよ!って迫ってますしね。
しかしマキアはエリアルの想いに気づかず、母親が叱るように息子をぶつ。

エリアルは床に燃え移った火をテーブルクロスをかぶせて消し止める=我に返り自分の気持ち(火)を押し殺す
「あなたを母親と思ってない」=異性として好きだから
そしてマキアが自分を息子としかみていないとわかり、「こんな感情を持ったままじゃ彼女を守れない」→距離を置くため家を出たようでした。なるほど。
切ないけどわかりづらかった・・
あの時燃えたテーブルクロスを、エリアルが天寿を全うした時にマキアがかけた意味は・・・?そんな日々もあってねってこと?
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後気になったのは、
・婚礼パレードの警備がザルすぎ
・イオルフのハーフの男性が助けに入るのがタイミング良すぎ
・戦場で息子とばったり会いすぎ
・敵軍上陸と同時にタイミングよく出産始まりすぎ
・マキナが息子の家を偶然見つけて、しかも嫁の出産現場にタイミングよく居合わせすぎ
・その後負傷したエリアルをすぐ見つけすぎ(マキナは占領した敵軍側だから自由に動けたってことかな?)、
エリアルに「あなたになら母じゃなくてもどんな名前で呼ばれてもいい」→「行かないで母さん」と呼んでもらえたのに、やっぱり去ってしまったのは、これからはあなたが親でしょうと子離れしたんですかね。
もう妻子がいるのに母としても女性としても求められたら家庭崩壊させてしまいますもんね。
・クリム簡単に城入れすぎ
・エリアル捕虜なのに即日家に帰れちゃう(団長さんの計らい?)
・エリアルの孫がまだ若いのにエリアルが老いすぎ(エリアルとディタが20歳で出産したとしても娘は35〜40くらいに見えたのでまだ60歳くらいなんじゃ・・)
・なんでエリアルがちょうど死ぬタイミングでマキナが会いに行ったのか謎(会いに行かずとも死が近くなるまでまで遠くから見てた?)
・母レイリアと初めて会えた王女メドメルも、突然母現れて飛び降り助けられ去っていった母親のことを、納得するのが妙に早すぎる気がしたし、
・レイリアの塔からジャンプからのドラゴンに乗るシーンはFF10を彷彿とさせてかっこよかったんですけど、そんな遠くから娘に叫んでも聞こえないんじゃ…とか
あとイオルフの女性たちがたくさんさらわれたはずなのにレイリア以外はどこに行ったのかなぁとか。さらわれたのはレイリアだけだったのかな?

きっとちゃんと細かい設定はあったのに、全体的に尺が足りなくてああ描くしかなくなっちゃったのかなぁと思いました。
個人的には軍人イゾルのレイリアへの想い、エリアルのマキアへの感情、ディタとの再会と家庭を作るまでの描写をもう少し深く掘り下げてほしかったかな…

自分も老いたうさぎを飼っていまして、自分より先に逝ってしまうのが毎日怖くて、いっそ飼わなければよかったなのかなと思うこともあります。
そして、子供は自分より寿命が長くて本当に良かったとその度に思います。
人間より寿命の短いペットを迎えた瞬間から看取りへのカウントダウンが始まっていて、愛せば愛すほど看取りが辛くなる。
だけどその愛した日々はかけがえのないものなんですよ、というメッセージが込められていたのかなと思います。

国と国の戦争の話が絡んでしまったのでマキアとエリアルの親子愛と別れ心理描写が少しぼやけてしまったのが少し残念でしたが、
絵も音楽も素晴らしく全体としては楽しめました。
ドス黒い海外ドラマに慣れてしまっている私が見ると、子育て、死別というテーマの割にきれいに描き過ぎかなぁと少し物足りなかったですが、
爽やかで美しいのでファンタジーものが好きな10代の方にはおすすめできると思います。
ロクシ

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