あのラスト・・・🥺 状況は決して明るくないけど、あの時見た景色は、ムーニーのこれからを折に触れ照らしていくだろう。何より‘愛された子供時代’という、人生を切り拓くための有効な武器の一つを彼女は既に手にしているのだ。
では、ヘイリーは?
彼女から離れた友人は、もし何かあれば忽ちこの生活さえ失ってしまうということ、自分達が淵にいるという事を理解していたけれど、ヘイリーにはそれがついに解らずじまいだった。おそらく彼女自身禄な教育を受けておらず、頼れる縁者もいない(大喧嘩した友人に部屋代を借りようとするくらいだ)。夜、騒がしいTVに虚ろな目を向けていた彼女の孤独が痛かった。そして子供はいつか必ず親の許を離れていく。
ヘイリーの今後は分からない。
それでも映画の間中、彼女達の周りから‘情’が途絶えてしまいはしなかった。food truckが訪れ、追い出されかけても仲介してくれる管理人がいて、皆から爪弾きにされた時にもハグしてくれるランドリー係や娘がムーニーと遊ぶ事を禁じなかった母親がいた。
貧困の底にいても、人としての真っ当さを保ちながら日々をやっていこうとする彼らの営みがちゃんと意味のあるものとして描かれているから、マジックキャッスルから見る虹も花火もあんなに美しかったのだと思う