アメリカの底辺の暮らしをドキュメンタリーで見ているような気分でした。
モーテルでのその日暮らしなんて不安定な事この上ない。子供に与える影響としては最悪だ。
それなのにムーニーは無邪気で、子供らしくて、とてもかわいらしい。
でもやってはいけないことを平気でするし、行儀もすこぶる悪い。中指も平気でたてるし悪態もつきまくり。
これはもちろん母親ヘイリーのふるまいや、育て方が全てだ。
緑の髪にタトゥーだらけの体。
でもムーニーに愛情を注いでるのは間違いない。だからこそ見ている側は痛みを感じるんだな…。
その愛し方が正しいとか間違ってるとかは神様じゃないから決められない。
昨今の日本で流れる虐待のニュースを思うと、ヘイリーは偉いとさえ感じてしまった…。
どんなに困窮してもムーニーを笑わせられる。二人ですごす時間はムーニーにとっては楽しくて幸せだと思う。
ラストはちょっと…微妙。ポカーン系。
エンドロールが無音な所が怖い。
カラフルな街並み、虹がかかる空は青く美しく、残酷に二人を『哀しみ色』に映し出す…。