おさるのじょじへい

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のおさるのじょじへいのレビュー・感想・評価

3.5
さすがにモーテル暮らしは経験がないけど、母子家庭で貧しい幼少時代を送った自分からしてみると、ちょっと疑問が…。
子供って自分が置かれた環境や事情を意外と理解しているもの。マジック・キャッスルで暮らす子供たちが、あんな無邪気なだけではいられないはず。いいことではないけど、もっと大人に気を遣うと思うんだなぁ。その点がしっくりこなかったなぁ。

想像力のなさというのは、実に恐ろしいことだと感じた。
ヘイリーがあまりにも浅はかな考えしかなく、結局子供が犠牲になっているわけで。育児放棄もしていないし暴力も振るっていないけど、子供を守れないのだから、それらと同等の罪だと思う。

告白も退職もスマホで済ませ、
AIが電化製品のONOFも、買い物もしてくれる時代が来る。
なーんにも想像しない人間が増えることが、実に恐怖。

ポップな色彩と淀んだ現実との対比がよいと思った。
クリアじゃないフィルムの味わいがまた、それを助長しているように感じた。