このレビューはネタバレを含みます
精神病院に入れられている父に面会しにきたジェイコブ。つい先日亡くなった母との約束を果たすための訪問だったが……。
物語が始まってすぐ、ジェイコブはひどい緊張を強いられているのが分かる。
自ら車を運転して到着した病院では、父を担当する看護師に出迎えられ、本人と会う前に担当医とまず話をする。
雲行きの変わりを知らせる雨と光の演出が良かった。
強制的な絶望の受け渡しで締め括られるショッキングなラスト、呆然と面会室を出てゆくジェイコブの表情に鑑賞者の心は惹きつけられる。
「どんな自殺も、他者を罰するためにあるのではないですか?」と【昔々アナトリアで】の台詞が思い出された。