Ginny

ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリスのGinnyのレビュー・感想・評価

4.8
存在意義のある映画なのでこの点数。
個人的にはとてつもない睡眠導入映画で何度もうたた寝して見るのに日を費やした。

「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の中で衝撃的だったことが公共図書館が廃止された地域があるということ。
そこまで堕ちるのか、と思ってしまう。

図書館は幼少期から親に連れられ通い、中高時代は自習しに行き、大学になってからはレポートを書くのに参考文献を借りるのに使った。
通い慣れた場所というだけでなく、背表紙を眺めて様々な本と出会い、タイトルだけでも知ってるというのがあったり、蔵書カードの棚を見るのが好きでときめいてたり、たくさんの児童書を借りて兄弟で楽しんだり、人格形成に影響があったのではと思う思い出深い場所である。
だからただ単に利用しただけというよりかは、楽しい思い出の場所で、同様に多くの人にとってそのような良い場所であって欲しいとぼんやり思う。

公共図書館の課題や苦労がこんなにあり、趣向凝らした催しがあるなんて知らなかった。
Wi-Fi貸し出しまでしているなんて。
貧困家庭と思わしき人たちが有色人種が多いのが気になった。

利益を追求してしまうと、立ち行かなくなる事業(?)があるという認識を共有して、持続させるためには公的なお金を注いで、それをもって維持、というようにしていってほしい。
文化を保護しなくては野蛮な人に侵略されて破壊されたら人は散り散りになってしまう。
自発的な寄付はアメリカ文化なら可能なのかもしれないけれど日本は絶対無理だから強制的にむしり取った税金で図書館がよりよく運営していけるようにしてほしいけれど司書の方の薄給の話を聞くと職業軽視が悲しくて胸が苦しくなる。
国を統括する人は下々が知恵を持っていない方が操りやすいので然るべき対応なのかもしれませんが。

あと昨今の本屋や図書館で大幅に日が差し込む建築設計は一体全体どうなっているのか甚だ疑問です。
日に当たったら本がダメージ受けてしまうのに。
ニューヨーク公共図書館のクラシカルで荘厳、静謐な建物の雰囲気素敵。

図書館の存在は街、引いては国の存続、人々の民度にも関わるものだと思うので大事だと思うのですがそういえば何にも知らないや日本の図書館のこと。
美術館は、天下りと美術畑の人、どちらかが館長になるかでクオリティが違うというのを見たけど図書館はどうなのだろう。
Ginny

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