木葉

ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリスの木葉のレビュー・感想・評価

4.1
飄々と堂々と。
じっくりと世界の憧れの的であるニューヨーク公共図書館の裏側を眺められる。
連日の満席でチケット取れなくて、
3時間25分という長尺のドキュメンタリーに集中力が耐えられるかと、
チャレンジしました、
観て良かった。
ナレーションもないし、
ドラマも起きない。
長回しカットの中に街の息遣いを感じられ、
多種多様な人々の意見を交わしぶつける場所としての図書館、公共であることを貫き人と字と時の中で試行錯誤を続け図書館のあり方を追求する。

なぜ世界から注目や羨望を浴び続ける図書館なのか、
撮りまくられた裏側の世界を眺めるだけの映画と思いきや、
見終わった一週間経った後も
感化され、刺激され続ける。
不思議だ。
開かれた図書館の裏側に、
集めた情報を共有することの難しさ、
開かれた知の殿堂と
そこで密接する人々の生活。
意見を交わし、
政治に関わり、
開示された情報を平等に共有することの重要性。
デジタル化が進む中でも、アナログは保持し、人々と政治と隣り合わせている図書館の裏側を見せられることで、

集められた知を掻き分け、
常に知ろうとする探究心、好奇心、情熱こそが
混沌とした世の中で生き抜く根源になっている気がする。
議論し、知の結成を集め、静かに時に熱く日々の営みの中で共存する。
一生学び続け、進化し続けるために
民主主義の世の中を映し出す鏡のような映画。
木葉

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