テテレスタイ

盗聴者のテテレスタイのネタバレレビュー・内容・結末

盗聴者(2016年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

渋いおっさんが主人公の僕好みの映画。
でも、ちょっとストーリーが淡々としすぎだった。躍動感が皆無で途中から退屈だった。最後は主人公がヒーローになれた感じで丸く収まったけど、何が言いたい映画なのかよくわからなかった。あれこれ考えながらストーリーを振り返ってみると、組織階層構造について語っている映画かなって思う。



・主人公は序盤、一人では達成困難な仕事を命令されたけど結局できなかった。
⇒ 一人で出来ることには限りがあるから組織が必要。

・主人公を雇ったクレマンはフラットな組織を作ったが、それと対立する治安総局は階層型だった。
⇒ フラットな組織と階層型組織の対比。

・断酒会では主人公はサラと仲良くなれなかった。
⇒ 断酒会はフラットな組織で、フラットな組織は横のつながりが弱い。

・ジェルフォという男が自分が上司だと偽った。
⇒ フラットな組織は、中間者攻撃に弱い。

・治安総局は電話が盗聴されまくりだった。
⇒ 階層型組織はスパイの特定が苦手。

・ジェルフォは弁護士事務所に侵入後、その日のうちにクレマンに捕まった。
⇒ フラットな組織は(不正検知後)スパイの特定が早い。

・主人公はクレマンの拠点に連れていかれるとき目隠しされたが、治安総局のときはされなかった。ストーリーの終盤、クレマンはラバルトに交渉を持ちかけた。
⇒ フラットな組織では上司に与えられる権限が、階層型組織の場合よりも大きい。そのため警護の必要性が高い。

・主人公は知人の社長を襲撃した。
⇒ 階層型組織であっても首脳部はフラットな組織とみなすことができる。

・クライマックスシーンで主人公が突入と叫ぶと、治安総局の部下たちが一斉に発砲した。
⇒ 階層型組織は、その場の最上位者に成りすまされると、組織全体が乗っ取られる。階層型組織の場合、部下は直属の上司に反抗しにくく、フラットな組織の場合、部下は直属の上司に反抗しやすい。



・主人公はたくさんの意味のないテープの書きおこしをさせられた。
⇒ フラットな組織は健全性を重要視しない。

・6番のテープの行方をクレマンは気にした。
⇒ フラットな組織は完全性を重視する。

・治安総局は行動が慎重。
⇒ 階層型組織は健全性を重視する。

・映画の後半、主人公が治安総局に指示を出し、敵との交渉の場を作り、最終的に”突入”した。
⇒ 階層型組織であっても、有能な顧問を置くことで完全性を重視する組織に変えることが可能。

・この映画は人質救出を扱っている。途中まではクレマン側が勝っていたが、最終的には主人公がサポートした治安総局が敵をすべて倒して勝った。
⇒ 人質救出では健全性より完全性が要求されることがある。



上記はこの映画を参考にして僕の主観で書いてることなので間違ってる可能性があるけど、組織階層構造について取り扱った映画という意味で、この映画は独特で面白いと思う。