ダイナ

キラー・メイズのダイナのレビュー・感想・評価

キラー・メイズ(2017年製作の映画)
4.2
部屋の真ん中にダンボールハウスを作成した彼氏デイブ。中身は迷路になっているらしく抜け出せなくなってしまったらしい。ということで友人・知り合い達を集めみんなでデイブを助けに行くぞというファンシーで微過激な冒険譚。

まず最初に触れておきたい部屋の中のダンボールハウス。これが装飾凝ってて可愛い出来でしてね、じゃなくて。迷うって物理的に空間的に何言ってるの?と。これにノリツッコミするでなくそう受け取って迷路に足を踏み入れる登場人物達にある程度こちらとしてもリアリティのフィルターは排除しますよという前提で鑑賞させられるわけです。

本作の迷路がですね、ビジュアルが素晴らしくてこれだけでもう個人的に嬉しいですね。外観を始めとして内装含め全体的に小学生の文化祭レベルな手製迷宮で可愛げがありまして。クラフト感満載な装飾にトラップ、遠近法やミニチュア、トリックアートを利用した迷宮が楽しい〜!怒られそうだけども若干アレハンドロホドロフスキー味感じる美術とも自分は思うし、全然違うんだけど恐怖よりワクワクが勝る感じはMOTHER2の「ダンジョン男」を思い出したりもしちゃいました。迷宮モノということでミノタウルスを用意しているのも嬉しい。迷宮は大人である自分に対する葛藤というデイブの子供心が成す秘密基地か要塞か。残酷な表現は絵面のポップ&カラフルさでマイルドに緩衝。本作の過激描写を雑と呼ぶ人もいるでしょうが、私は表現の巧さと称えたい!

結末に関してはクエスチョン浮かぶけども、こういうワクワク感を提供してくれる作品自分は評価したいです。これはハイセンスなクラフトアドベンチャーだ!
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