hirogon

ウスケボーイズのhirogonのレビュー・感想・評価

ウスケボーイズ(2018年製作の映画)
4.0
ワインの味は分からないです(^_^;)

日本のワイン造りの黎明期の苦労を描いた実話に基づく物語。
原作は、小学館ノンフィクション大賞受賞の「ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち」(河合香織著)。
この手の実話ベースの色んな分野のパイオニアたちの話は好みなので甘めの評価です。

麻井宇介のモデルは、メルシャンの浅井昭吾さんで、麻井宇介は彼のペンネームとのこと。
日本のワイン造りの草分け、麻井宇介。
”桔梗ヶ原メルロー”、宇介が造った世界レベルのワインブランド。
宇介の意志を受け継いで、農場と醸造の両方を手掛け、ワイン造りに情熱を燃やした若者たちを描く。

宇介を演じた橋爪功さんがとてもいい演技。話す言葉が、ウスケボーイズのみならず、見ている者にまで伝わってくるような趣きがありました。


(以下、ネタバレ)
ーーーーーーーーーーーーーーー

「ワイン友の会」で、ワイン談義や飲み比べで意見を交わす若者たち。
ある時、フランスと日本のワインをブラインドテストで飲み比べ。
上位は当然フランスワインと決め込んでいた彼らに、衝撃の結果をもたらしたのが、”桔梗ヶ原メルロー”というワインだった!

このワインを造ったのが、麻井宇介という人物だと知った友の会のメンバーたち。
彼らは宇介と知り合う機会を得て、そのワインへの造詣の深さに感銘を受けます。

会のメンバーは、社会人になっても会合は続けていた。
彼らは、それぞれに「自分でぶどうを育てて、ワインを造りたい」という夢を実現させようと動き始めます。

親の農場を継ぐ者、
会社を辞めて田舎に引越し、農場を借りてぶどう栽培から始める者、
農場経営する家の娘と結婚、婿入りしてぶどう栽培に取り組む者、、、
それぞれのやり方ではありますが、お互いの情報共有も欠かさない。

始めは勉強期間のような状態で、試行錯誤を重ねながら何とかワインが出来るところまでこぎつけます。
まずは、できたワインを宇介さんに飲んでもらおうと、皆で集まります。

その時に宇介が若者たちに言う言葉のひとつ。
「教科書は破り捨てなさい」
日本には日本にあったワイン造りが必要という宇介の思想が表れた言葉です。

挫折しそうになった時、
宇介の教えと仲間の存在は、大きな力になる。
宇介さんの言葉を胸に、その後も苦労を重ねながら、自分たちの求めるワインを追究していく。

”自然を受け入れる、ブドウの力を信じる”
”後は、人の 問題”

そして、その品質の高さは徐々に知られていくようになります。世間では、彼らのことを”ウスケボーイズ”と呼ぶようになります。

見終わった後、ワインの味に鈍感なのがちょっと残念な気分になります(^_^;)
hirogon

hirogon