Ginny

ビール・ストリートの恋人たちのGinnyのレビュー・感想・評価

3.0
助演女優賞を獲ったレジーナキングの演技が見たくて鑑賞。

勝手に タイトルの「恋人」をレジーナキングが演じるもんだと勘違いしてました。。
お母様でした。

色遣いが素敵。
ティッシュとファニー、カップルが手を繋ぎながら歩く。
ティッシュのアウターとファニーのトップスが、
ファニーのアウターとティッシュのトップスが、
同じ色で それでもうこの2人の繋がりを強く感じることができた。

画面で 左側は暖色、右側は寒色のライティングになっていて寒色の方向へ2人が行く時はこれからの2人に困難が待ち受けているのか?と想像してしまった。
『ジョーカー』の撮影監督が色がもたらす効果について説明する動画を最近見たので その観点からも映画を見てみました。意図してるのかな?
https://m.youtube.com/watch?v=xfTodncOHAc&feature=youtu.be

メインテーマの音楽も素敵。
レジーナキング演じる母親は 目で訴える感情が伝わる演技が見事で心揺さぶられました。
うら若きピュアでキュートなティッシュを演じた子もとってもとっても良かったと思います。
GOT俳優が2人も出ててびっくり。

黒人が受けた差別を、実話とか著名人のストーリーとか そういう観点でなく 記録に細かく残らなかったけれどたくさん苦しんだ市井の人を描いているのが良いなと思いました。

こういう差別を受け続け 今なお残る世の中であれば なかったことにして白人至上主義、白すぎるアカデミー賞に批判が来るのは当然だし ブラックパンサーがもてはやされるのも納得できる。ごめんなさい、私はその歴史をきちんと理解せずあの作品を批判しました。映画としては苦手だけど その存在がどれ程の人の心を照らしたのかということは理解するべきでした。

ゆったり柔らかく それでいて苦しく切なく。
見応えのある映画でした。
世界を変えた人たちだけじゃなく 世の中の大きな流れに巻き込まれて必死に生きた名もなき人たちにフォーカスして描く、それが良かった。
実話ベースって ただ見て へー!これ実話なんだ!と受け取るしかないけど フィクションの場合フィクションの中にある真実を見つめようとするし 想像力を働かせるなあと思いました。
Ginny

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