マーベル大好き

スリー・ビルボードのマーベル大好きのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.1
登場人物のキャラクターや行動、セリフによる先入観に惑わされてしまった。そして日本語字幕にも騙されてはいけない。


娘のアンジェラを殺され犯人が見つからないことに怒りを燻らせ続けているシングルマザーのミルドレッドヘイズ(フランシスマクドーマンド)は広告会社の社長のレッド(ケイレブランドリージョーンズ)と広告契約を結び娘の捜査の進展がないことを批判する行動をとる。
彼女の行動は警察署のみならずウィロビー署長(ウディハレルソン)の人柄を知っている住人たちの怒りまでもかうことになり周囲からの嫌がらせを受けるが数少ない理解者であるデニス(アマンダウォーレン)やジェームズ(ピーターディンクレイジ)の支えや持ち前の強気な態度でそれらをものともせず過ごしていた。
しかし彼女が批判していた署長のとった行動により彼女は動揺し周囲もまた更に彼女に過激なバッシングをとりはじめる。特に署長を慕っていたディクソン巡査(サムロックウェル)は激しい悲しみに襲われ、周りを驚かせるような感情的な行動をとる。


アメリカの社会問題を上手く取り入れながら観る人をさまざまなセリフやヒントによってミスリードするような色んな意味で考えさせられる作品だった。
娘を失った彼女の苦しみがひしひしと伝わってくる。そしてストーリーが進むにつれてそれぞれのキャラクターが変化し意外な一面を見ることができる。
面白いのは恩をあだで返すのではなくあだを恩で返すという流れ。あまりそういった作品を見たことがなかったのでとても新鮮だった。