メッチ

スリー・ビルボードのメッチのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.2
犯人が誰なのか気にはなりましたが、この作品の本質は実際に起きた事件や差別問題を訴えかと思います。

とある町に住む少女が強姦のうえ殺害されるといった実際に起きた事件を題材にしたかのようお話だったので、犯人は見つかるのかどうなのか?といったような緊張感がありました。
主人公のお母さんは一見頑固かと思いきやそうとも言い切れず、警察の署長にも頭こなしに怒りをぶつけているわけでもない。なんと言えば良いのか、信念のもとに突き進んでいるかのような。家族や元旦那さんに対して突っ撥ねるような姿は、別作品の「空白」のお父さんに似てはいましたが、冷静になるところは冷静になる。もし我が子がそんな目にあったらどう現実と向き合えばいいのか?そんなことを訴えているかのようです。

しかし、この映画の本質は犯人探しやではなく、アメリカで実際に起こった事件や差別問題を訴えた作品なのかと思います。
作中にサム・ロックウェル演じる警官がやたらと差別的な発言が多く、その母親も同じく差別的発言が多かった印象がありました。実際にある村ではないと思いますが、モデルにしている村では今もそういった風潮はあるのでしょうか?別作品の「アンテベラム」も似たことを訴えているので、そこが際立って見えました。

近年では、人種差別や女性軽視を扱った作品は多いため、私はその情報に触れる環境にいるから情報が入って来ます。でも、その問題に触れ合うことのない環境にいれば?話が違ってくるのでしょう。
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