ハル

スリー・ビルボードのハルのネタバレレビュー・内容・結末

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

どう表現していいか難しい映画っていうのが一番の感想かなぁ。
こういうハッピーエンドじゃない映画は好き、この先も続いていくような物語も好き。
ただ、私がこの映画を見て何を感じ取れたのか、何を思ったのかと言うのが評しづらいのだ。
取り敢えず、つらつらと書いていこうと思う。


登場人物の感情がひしひしと伝わってきて鳥肌が立つような映画だった。
感情というものをあそこまで剥き出しにして見ることって中々ない気がする。
ミルドレッドの怒りも悲しみもどこまでも突き抜けていて(こんなことまでするのかってことをとにかくするから)溜め息が出るほどだ。

ディクソンさんが結構好き。
最初はなんだこのムカつくマザコン野郎はと思っていたのだけれど、ウィロビーが亡くなってからの後の彼は警官として必死に正義を貫こうとしていて格好よかった。

レッドの人柄の良さとかウィロビーの刑事としての誇りを感じさせる姿勢など、ぶれないところもよかったなぁ。

というか、皆キャラクターが生き生きとしてる映画だね、これ。書いていて思ったけど。


また見たら何か違うことを思ったりもするのかな。
もう少し成長してから見たいかも。




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ミズーリ州が舞台となってるわけになるほど!ってなったので、ここに記しておく。


ミズーリ州は、保守的な気風が漂う田舎町で、白人が多く住んでおり、いまだに人種差別が根強く残る地域です。昨年、丸腰の黒人青年が白人警官に射殺される事件が起き、全米が騒然となりました。

その一方で、ミズーリ州に住む白人もまた差別される対象になっています。ミズーリ州の白人の大半は、高所得層や中産階級のエリート層ではなく、低賃金の労働者。アメリカの経済成長から取り残されてしまったミズーリ州の人々は「ヒルビリー」と呼ばれ、蔑まれる存在です。

ヒルビリーとは、ミズーリ州やヴァージニア州などの山地(ヒル)に暮らす人々を指す言葉で、そこに住む多くが白人であることから、転じて白人の田舎者を揶揄する言葉となっています。

彼らヒルビリーは、トランプ政権の支持基盤とも言われ、映画では「貧しく劣等感を抱えた存在」としてネガティブに描かれることが多く、西海岸のエリート層であるハリウッドの人々から見れば侮蔑の対象なのです。
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