復讐についての作品でしたね。「begets」という動詞を本当に19歳の女の子が使ったと知ってワインボトルでぶん殴るのを思いとどまるシーンとか、広告代理店のレッドがストローの向きを変えるシーンとかが好きです。というか、ディクソンも署長も、みんな本当は良い人で、本当の悪はのさばったままだけど、それでも最後に財産として、彼らとの関係が残り、主人公には、復讐はくだらないというさとりと、悪を許す強さ、愛が得られたという話でしたね。かすかな希望を感じさせる絶妙なサッドエンドに僕は弱いです。人は変われるというのがこの映画のメッセージなのですね。
最後に出てきた小鹿の意味はなんでしょうか。イエス・キリストは馬小屋で生まれ、ウィロビーは馬小屋で死ぬのはなぜでしょうか。
ウィロビーが死ぬ直前にディクソンに宛てた手紙には「もしもオカマと言われたら、このホモフォビアめと言い返せ」とありました。ということは暴力警官のディクソンはおそらく同性愛者でウィロビーはそれを知っていたのでしょうね。ゲイに大人気のABBAのチキチータをウィロビーがヘッドフォンで聴いている理由も納得がいきます。